Artistnews本山二郎画家

本山二郎 | 画家

2011 ~ 2021 本山二郎 クロッキー集

本山二郎

コロナ禍の為、アトリエ訪問は出来ませんが「2011 ~ 2021 本山二郎クロッキー集」を出版するにあたり、本山氏に”クロッキーについて”お話し頂きました。

クロッキーについて《線の魅力》

クロッキーとは、限られた線で対象の魅力をとらえ、ストロークの豊かさと躍動を追い求めるライブ活動であると考えています。
クロッキーに向き合うと、「選択、迷い、自信、決断」が短時間でうねりのように押し寄せ、私の人生の縮図が一枚の作品に現れ、私はここで生きているのだと実感します。
不思議なことに、容易に伸び伸びと描ける日もあれば、小さな部分に固執して思うように描けない日もあり、日常生活では気づかない自分のバイオリズムや深層心理が線に表現されていることに気づくのです。
クロッキーでは、人体のフォルムから線を抽出し、突き上げるような感性の抑揚を筆圧に託して、緩急のあるタッチとストロークを生み出しています。
一筆ごとに様相が変化し、画面上の空間のバランスから次のアプローチを見つけ出し、絵に生命感と躍動感を与えているのです。

目に見える線の痕跡だけでなく、ストロークは紙の表面を走った後、空中に飛び、次の着地点の描線に入るまでの滞空時間の中で、紙の余白とせめぎあい、鉛筆の芯の減り方や黒鉛粒子の状態、筆の流れなどを一瞬で判断し、次の一手を見極めて描線へと繋げる、見えない運筆も存在します。
そんなダイナミックな描写の駆け引きをストロークから想像し、追体験できる表現であるところに魅力を感じます。     2011 ~ 2021 本山二郎 クロッキー集《はじめに:線の魅力》より

INFORMATION
「2011 ~ 2021 本山二郎クロッキー集」より参照
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